コーギーのしっぽ付き、しっぽ無しがいるのはなぜ?尻尾を切る意味と、子犬に尻尾がない理由とは

コーギーのしっぽ付き、しっぽ無しがいるのはなぜ?尻尾を切る意味と、子犬に尻尾がない理由とは

コーギーといって浮かぶのは、しっぽの無いふわふわとしたお尻と胴長な体型、可愛らしい大きな笑顔のような顔つきを思い浮かべる人も多いと思います。
コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類がいることをご存知でしょうか?

この2種をかんたんに見分ける方法として、「しっぽのない」種類をペンブローク種、「尻尾あり」「しっぽ付き」がカーディガン種と言われることがあります。

どちらのコーギーもかわいいですが、同じ犬種なのにしっぽの有無という大きな特徴の差が出てきてしまったのでしょうか?

実はコーギーの「しっぽ」が無い理由には、とても悲しいストーリーがあります。

コーギーのしっぽが短い・無い理由とは?


実はコーギーは生まれた時にはしっぽがしっかりと付いています。それはペンブローク、カーディガンに関わらずコーギーはみんな「しっぽ」を持って生まれます。

成犬で外で見かけるコーギーのしっぽが短いまたはしっぽが無いのは、犬種の差ではなく「断尾」と呼ばれるしっぽを切る事が理由です。

コーギーのしっぽを切る「断尾」について

なぜコーギーは断尾によってしっぽを切られてしまうのでしょうか?
始まりは「断尾の歴史」が大きく関わってきており、他にもコーギーのしっぽを切る様々な理由があります。

これから紹介する理由を踏まえて今では、非人道的な状況、必要のない理由、動物愛護の観点からしっぽを切る「断尾」をやめる声が相次ぎ、断尾を禁止する条例を出す国も出てきているほどですが、まだ現代でもコーギーのしっぽを切る現状が残っています。

コーギーの犬種の伝統を維持するため

コーギーの断尾は「コーギーらしさ」という伝統を維持するためにしっぽを切られてきた歴史があります。
コーギーの他にドーベルマンなどは、ドッグショー、犬の品種認定を行うケネルクラブによって「犬種らしさ」を維持するために断尾されていきました。

しっぽを切る断尾には古い歴史があり、ケネルクラブが設けた”犬種標準”によって、その犬種の伝統を維持するためだけに現在まで行われてきました。
極端に言うと「断尾をしていないコーギーは犬種基準として認められない」ということになります。

しっぽの怪我や事故を防ぐため

コーギーはその昔、牧畜件として羊追い・牛追いなど主に家畜の世話役として人間と生活していました。
原産国であるイギリスでは羊よりも牛を扱うことが多く、その牛にしっぽを踏まれて怪我をすることがあるため、そういった怪我や事故を避けるためにウェールズのペンブルックシャー州でしっぽを切る習慣が始まりました。

糞などの汚染で不衛生にしないため

コーギーの本来のしっぽはとても長く、長毛種特有のフサフサとしたキツネのようなしっぽの特徴があります。
糞をすると肛門周辺が汚れやすくなってしまい不衛生となるのを理由に断尾が行われる場合があります。

確かに、外飼の場合は特にそういった不衛生によるリスクは高く、しっぽに付着した糞や汚れを放置しておくとそこからウジがわいたり、皮膚病や感染症などの病気につながるケースがあります。

しっぽの変形・曲がっている場合

極稀に、生まれつきしっぽが曲がっていたり変形している子犬が生まれることがあります。

しっぽは多少曲がっていたとしても犬の生活に支障は有りませんが、外見上スタンダートとは離れた見た目をしているので子犬の値段が下がったり、市場に出されないといった問題が起こります。
しっぽが変形していて売値が下がったりしてしまうと利益損失につながるので、こういったリスクを避けるために断尾されることがあります。

しっぽを切ると狂犬病を予防できると妄信されていた

狂犬病は、感染し発症するとほぼ100%死に至る病として、犬を始めとした哺乳類にとってとても恐ろしい病気です。
大昔のヨーロッパでは断尾をすることで狂犬病が予防されると信じられてきていました。
更にはしっぽを切ることで背中の筋力が強まり瞬発力の増加に繋がり、怪我も防ぐと妄信されていましたが、根拠も成果も実際は有りません。

SNSの人気による「需要」

コーギーはTwitterやInstagramなどのSNSでも人気になるほど特徴的なおしりが有名で、よく「食パンのようなおしり」と例えられます。

SNSでアップされたコーギーのお尻を見ると、しっぽがまったくないコーギーと、しっぽが長いコーギーがいることがわかります。
その中でもしっぽのないコーギーは特に可愛らしく人気のある写真でいいねをたくさん集めています。

今もなお断尾がなくならない理由としては、こういった見た目での人気による「一定数の需要」が、断尾をされる理由の一つとなっています。

コーギー・カーディガンはしっぽがあると言われる理由


コーギーは「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」という2種類に分けられます。

  • 体格の違い
  • 耳のつき方・形の違い
  • 毛色のバリエーション
  • 性格の違い
  • しっぽの有無

コーギー2種類の見分け方は上記の様になっており、その中にしっぽの有無があります。
ペンブローク種はしっぽがなく、カーディガン種はしっぽがあると言った見分け方ですが、現在ではその見分け方では難しいです。

今はコーギー・ペンブロークもしっぽがある

しっぽ付きの有無で判断するのは難しい理由としては、現在では断尾をしないブリーダーもふえ、しっぽのあるウェルシュ・コーギー・ペンブロークが増えたためです。
今では毛色や体格の違い、耳のつき方などで判断することが多いです。

コーギーのしっぽを切る「断尾」の疑問

歴史的、リスク回避としてみてもコーギーのしっぽを切る断尾に関してはたくさんの疑問が浮かびます。
そもそも断尾をする必要性が本当にあるのかも疑問のひとつですが、いくつか紐解いていきましょう。

コーギーのしっぽを切る時痛いor痛くない?

コーギーのしっぽの切断方法はしっぽの根本をバンド状のもので締め付け人為的な血行障害を起こさせて断尾する方法や、ハサミなど鋭利な刃物で切り落とす方法がありますが、どちらもすごく痛そうです。

実際、犬の断尾はインターネットで動画検索すると見ることができますが、切る瞬間とても悲痛な鳴き声をあげ、ジタバタと手足をもがく姿が見られます。
生後間もない幼犬であっても断尾に痛みを感じていることがわかります。

コーギーのしっぽ、いつ切る?なぜ切る?

コーギーのしっぽを切る「断尾」は生まれてから間もない子犬の頃に行われます。

従来、生後数週間の子犬の時期であればほぼ無痛で断尾が出来ると考えられていたためですが、専門家によっては生後間もない子犬でも痛覚が発達しており痛みの負担が無いとは言い切れないという指摘もあります。

これでもなぜ切るのかは、人間にとってしっぽのないコーギーは需要があるから。コーギーの歴史やコーギーの犬らしさを維持したい伝統を重んじる人間が関わっているのが確かです。

断尾を禁止する国も

専門家から痛みを感じている事についての指摘や動物愛護の観点から断尾が見直させる傾向があり、現在に至っていくつかの国ではこうした犬の断尾を禁止する法律も施行されるようになりました。

主にヨーロッパで以下の国が禁止されています。

  • ノルウェー
  • スイス
  • ドイツ
  • スウェーデン
  • ルクセンブルク
  • デンマーク
  • フィンランド
  • オランダ
  • オーストリア
  • ベルギー

昔はしっぽがあると税金がかかった国も

国の条例で禁ずる事は良いことですが、逆に断尾を促進させるような制作をしていた時代が有りました。
その昔、イギリスではしっぽ付きの犬に対して課税する時期があり、節税目的のため、コーギー以外の多くの犬が断尾の対象になったと言われています。
1796年にこのしっぽに税金がかかる制度は廃止されましたが、コーギーの断尾は今も残ったままです。

しっぽを切る「断尾」をされる代表犬種

しっぽを切られる断尾はコーギーだけではありません。

  • トイプードル、プードル
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • シュナウザー
  • ポインター
  • ジャックラッセルテリア
  • アメリカンコッカースパニエル
  • ドーベルマン
  • ミニチュアピンシャー
  • ヨークシャーテリア

など、これだけの犬種が断尾をされる対象の犬種となっています。有名なのはドーベルマンやミニチュアピンシャーで、子犬の頃はたれ耳で長い尻尾がありますが、断尾され、耳を立たせるための断耳まで行われます。

しっぽの長いコーギー


しっぽの長いコーギーは、ウェルシュ・コーギー・カーディガンと呼ばれる種類が多いですが、今ではペンブローク種でもしっぽ付きの個体に出会えるようになりました。

コーギーのしっぽ付き、尻尾ありを飼いたい!

しっぽ付き、尻尾ありのコーギーを飼いたいのであれば、ブリーダーから直接買うことをおすすめします。
コーギーのブリーダーであれば、しっぽを切られる前の生後間もない子犬に出会うこともできますし、ドッグショー向けで育てているかの有無もわかるので、ペットショップで取り扱われているコーギーよりもしっぽの付いているコーギーに出会える確率が高まります。

逆に、ペットショップなどではすでにしっぽを切られてしまっているコーギーに出会う確率が非常に高いので、注意が必要です。

コーギーのしっぽを切らない世の中になってほしい


コーギーのしっぽは元々短いのではなく、人間の手によってしっぽを切られる断尾によるものだということがわかりました。
本来は怪我や感染症の予防のために行われてきたと思われますが、理由の中には本来犬を守らなければ行けない立場のケネルクラブが定める「犬の品種認定」のために今も続いています。
コーギーを始めとした犬のブリーダーの中には断尾をしない人や組織が増えてきています。
我々も、ただコーギーがかわいいという人間の気持ちを尊重するためだけに気軽に断尾されてしまう現状を考え直さなければいけません。
しっぽを切るコーギーを増やさないためにも、コーギーの子犬を選ぶ時には信頼できるブリーダーから購入するなど、慎重に考えてから迎え入れるようにしましょう。

 

関連する記事