
ポメラニアンは頭悪い?頭が悪いと思う行動やポメラニアンの頭の良さを解説
小さくふわふわとした毛並みが特徴の可愛らしいポメラニアンは、室内犬として人気の犬種です。
そんなポメラニアンへの評価で頭が悪い犬種という印象を持つ方も中にはいますが、実はポメラニアンは数ある犬種の中でも賢さと高い知能をもっていると言われ、頭の良さでも評価のある犬種です。
なぜ一部の人からは頭が悪いと思われてしまうのか?
まずは頭が悪いと思われがちなポメラニアンの行動や実際の頭の良さについて解説していきます。
なぜポメラニアンは頭が悪いと言われるのか
ポメラニアンの頭が悪いと感じてしまう背景には、問題行動や粗相、指示しても問題行動をやめてくれないといった飼い主さんの悩みが隠れている場合があります。
ポメラニアンに見られやすい問題行動としては以下が挙げられます。
- イタズラをする
- 噛みつく
- 無駄吠えをする
ポメラニアンは警戒心が強く、しっかり自己主張する性格の犬種です。
そのため、小さな音にも興奮して良く吠え、室内の番犬としても優秀な犬種として活躍します。しかし、この特徴・性質が延長し無駄吠えや要求吠えの多さに繋がってしまっていることがあります。
噛み癖についても同様で、飼い主がいないさみしさや運動不足などのストレスから、自己主張として噛んだりイタズラをしてしまう可能性が考えられます。
そんな時に指示をしても止めてくれない、言うことを聞いてくれないといった場合に、ポメラニアンは頭が悪いと思われてしまいます。しかし、飼い主の指示に従わないのは本当に頭が悪いからなのでしょうか?
ポメラニアンは実は賢い犬種
本当にポメラニアンの頭が悪いのか調査した所、過去に6000人以上の犬の訓練士を対象にした犬の知能に関する著書「犬の知性(The Intelligence of Dogs)」から参考になるデータが見つかりました。
著書の中で賢い犬ランキングを発表しており、ポメラニアンの頭の良さは138犬種中28位という上位の結果に。
ランキングの調査内容は「新しいコマンドを理解する能力」と「最初のコマンドで人間に従うか」を犬の知能として判断基準にし、当時の犬の訓練士たちからその繰り返し回数(覚えの良さ)をデータ化してスコアを出した統計による信頼の高いデータです。
つまり、何回繰り返してコマンド(指示)を理解するかをデータ化しており、その中でポメラニアンは5回~15回の少ない回数でコマンドを覚える賢さに値するというデータが出ています。
これは小型犬だけでなく大型犬と比較しても引けを取らない上位の賢さをもっていることを示しており、ポメラニアンは決して頭が悪い犬種ではないことがわかります。
知能が大型犬寄りで賢い
小型犬のポメラニアンですが、祖先はサモエドであると一説では言われています。サモエドとは、大型犬で基本的に穏やかで従順な性格をしており、非常に賢いためソリ引きや猟の仕事を担っていた犬種です。
そんなサモエドの血を引くポメラニアンの知能は小型犬の中でも大型犬寄りの気質を持っていると言えるでしょう。他の大型犬に混じって賢い犬のランキング上位に食い込んでいるのもルーツを踏まえると納得です。
学習能力が高い
ポメラニアンは飼い主の指示を覚えるのが早いことでも知られ、お手やおすわりなどの基本的なしつけをすぐに習得します。
先述した著者であるスタンレー・コレン氏いわく、ランキング10位から30位の犬種は初めての指示に対し一度目で従える割合が85%以上、5~15回繰り返しで理解できたと発表しています。
トイレやハウスなどを学習する能力も高く、賢さが感じられる場面も多いでしょう。教え方を工夫すれば、ボール遊びやターンなどの芸なも覚えられる可能性があります。
飼い主の反応を読み取る力がある
飼い主への仲間意識が強いポメラニアンは、何か行動した時に飼い主の反応を読み取る能力にも長けています。
常に飼い主の様子を見ているので、飼い主に気付かれないように隙を見てイタズラするズル賢さもあります。
悪いことをした時にごまかすのではなく、許してもらうためにとあえて飼い主の元へ寄ってくることもあり、甘え上手で計算高い一面もあるでしょう。
ポメラニアンのしつけ方法
物覚えが良く賢いポメラニアンも、子犬のうちにしつけてあげないと噛み癖や吠え癖がついたまま成犬になり、なかなか言うことを聞かない犬になってしまいます。
言うことを聞かないのは頭が悪いわけではなく、正しく教育することで本来の学習能力の高さを発揮するので、丁寧にしつけをしてあげましょう。
しつけは生後2~3ヶ月頃からが望ましい
ポメラニアンが成犬まで大きくなってからしつけを始めてしまうと、噛み癖や無駄吠えなどは改善するのが難しいです。
そのため、問題行動が癖になってしまう前に小さいうちからしつけをしておくことはとても大事。正しくしつけることができれば、賢い犬に育つでしょう。
しつけを始める時期の目安としては、好奇心が芽生え始める生後2~3ヶ月が望ましいです。
好奇心旺盛な性格を活かせば、やって良い事・悪い事の分別がすぐにつくなど効率良く覚えられるでしょう。
「叱る」しつけ方は逆効果
言うことを聞かない時にはつい叱りつけがちですが、犬にとって大声で叱ることは逆効果の場合が多く、何を叱られているのかポメラニアンが分かっていないことも多いです。
特に無駄吠えに対して叱ると、相手が反応してくれたと勘違いして、更に喜んで無駄吠えを繰り返してしまう原因となります。
悪いことをした時は怒鳴って叱らず「ダメ」と落ち着いた低めの声でしつけると効果的です。
一貫して同じ言葉や低い声を使うことで、低めの声でダメと言われている時は良くないのだと学習します。
運動不足に注意
ストレスが溜まった状態でしつけをしても、なかなか言うことを聞いてもらえません。ストレスの原因のひとつとして運動不足が挙げられます。ポメラニアンの場合、朝と夕方に1回ずつ、10~15分の散歩を目安にストレスを解消してあげることで、効率よくしつけをすることができます。
散歩を通して他の犬とのコミュニケーションに慣れておけば、警戒心も和らぎ他の犬への無駄吠えも少なくできます。
しつけによってポメラニアンの賢さを引き出そう
ポメラニアンは、しつけが行き渡らず言うことを聞かなかったり、イタズラ好きな性格から頭が悪いと言われがちですが、本来は学習能力が高く賢い犬種です。
頭の良さでは大型犬に劣らない犬種であるポメラニアンは、適切にしつけてあげれば賢く育つので、頭が悪いと決めつけずに今回ご紹介したしつけ方を参考に、幼い子犬の頃から正しくしつけることでポメラニアンを賢く育てていきましょう。