
コーギーのペンブローク種とカーディガン種の違い|ブリーダーの販売価格について
コーギーは特徴的な胴長短足体型や愛嬌のある顔立ちをしていて、見た目によらず運動神経の良さなどが特徴の犬種で、ペットとしても高い人気を誇っています。
そんなコーギーですが、実は大きく2種類の別犬種に分類されることをご存知でしょうか?
今回は、コーギーの「ペンブローク種」と「カーディガン種」の違いと、それぞれのブリーダーの販売価格について解説していきます。
コーギーは大きく分けて2種類
コーギーは、大きく分けて2種類のコーギーとして分けられています。どちらもイギリスのウェールズ原産ですが、それぞれ得ちょくが異なり全く別の犬種として分類されています。
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
ウェールズ地方のペンブロークシャー(ペンブルックシャー)州にいたことから名付けられた犬種です。ペンブロークシャーで長く牧羊犬で活躍しており、人間の良き相棒だった歴史を持ちます。
日本に多く見かけるコーギーで毛の短い種類がこのウェルシュ・コーギー・ペンブロークである場合が多いです。
ウェルシュ・コーギー・カーディガン
ウェールズ地方のカーディガンシャー(ケレディジョン)州にいたことにちなみ、名付けられました。カーディガン種もカーディガンシャー州で牧羊犬として働いていました。
この2種のコーギーは昔から長らくペンブローク種と同じ犬種と考えられていましたが、体格や祖先犬などの違いが判明してから1943年にイギリスケネルクラブ(KC)で別犬種として登録されます。
そして、その後世界中にも認知されるようになりました。
ペンブローク種とカーディガン種の主な違い
次にウェルシュ・コーギーのペンブローク種とカーディガン種に見られる主な違いについてご紹介していきます。
ルーツの違い
2種のコーギーは同じように見えて全く異なるルーツを持っていることがわかっています。
ペンブローク種のルーツは明確に分かっていませんが、2つの説が提唱されています。1107年頃にベルギー北部のチャネル諸島にいた職人が移住と同時にウェールズに連れてきたという説と、10世紀にヴァイキングの侵攻と同時に持ちこまれたという説です。ペンブローク種は12世紀のイギリス国王ヘンリー2世のもとで愛玩されており、その後ブリーダーによって繁殖されました。
カーディガン種のルーツはペンブローク種よりかなり昔へ遡ります。カーディガン種は紀元前1200頃に中央アジアのケルト人がイギリスに連れてきた犬種と言われており、1933年にイギリス国王ジョージ3世が愛玩していることで世間に広まりました。
体型の違い
ペンブローク種の方がやや小柄で、平均体重はペンブローク種が11~14kg、カーディガン種が11~17kgと体格や体重に違いが見られます。また、どちらも胴長短足体型ですが、カーディガン種の方がやや胴が長く、耳の位置や全体的な重心が低いです。
また、ペンブロークの耳は楕円形ですが、カーディガンは大きな扇形で耳の先が尖っています。ペンブローク種は長く断尾してきた歴史を持ち、現在でも尻尾が短く尖っていますが、カーディガンは尻尾が丸いという違いもあります。
性格の違い
ペンブロークとカーディガンでは性格傾向にも多少の違いが見られます。ペンブロークの性格は非常に活発で明るく好奇心旺盛でいたずら好き、やや攻撃的な面も目立ちます。一方、カーディガンも明るい性格ですが、飼い主に忠実で落ち着きがあり、警戒心が強い一面もあります。
日本のコーギーはほとんどがペンブローク種と言われている
日本でペットとして飼育されているコーギーはほとんどがウェルシュ・コーギー・ペンブロークです。実際にジャパンケネルクラブ(JKC)で調査された「犬種別犬籍登録頭数(2019)」を見ると、ペンブロークが4,052頭、カーディガンが86頭と飼育頭数に大きな違いがあることが分かります。
「ウェルシュ・コーギー」の名前の由来
コーギーは、「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」と呼ばれていますが、2種類に共通する「ウェルシュ」の由来についてご紹介しましょう。
「ウェルシュ」は、コーギーの原産地であるイギリス西部のウェールズ地方にちなんで付けられた名前です。「コーギー」の犬種名もウェールズ語に由来し、ウェールズ語で「小人」を意味する「cor」と、「犬」を意味する「ci」が合体し、「ci」が「gi」へ変化して「Corgi」と呼ばれるようになったと言われています。
また、ウェルシュ・コーギーは「アイリッシュ・コーギー」とまれに呼ばれることがあります。そもそも「アイリッシュ」とは、アイルランドを指す言葉です。アイルランドは同じヨーロッパに位置する国ですが、北大西洋に浮かぶ大きな島であり、イギリスとは少し離れています。
コーギーはどちらの犬種もイギリス・ウェールズが原産であり、アイルランドとの関りはありません。では、なぜアイリッシュと呼ばれるのかと言うと、ウェルシュと語感が近いことが理由に挙げられます。
ブリーダーから購入する際の販売価格の違い
コーギーをブリーダーから購入する際、それぞれの販売価格相場についてご紹介します。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの価格相場
ペンブローク種の価格相場は、10~20万円程度です。価格には個体差があり、血統が良ければ価格も高くなる傾向があります。
ウェルシュ・コーギー・カーディガンの価格相場
カーディガン種の価格相場は、20~30万円程度です。日本ではとくにペンブローク種が圧倒的な割合を占めカーディガン種の個体数が少ないため、カーディガン種の方がやや価格相場が高くなっています。
同じコーギーでもペンブロークとカーディガンは違う犬種だと覚えておこう
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとウェルシュ・コーギー・カーディガンはどちらもイギリスのウェールズ原産の犬種ですが、別犬種に分類されます。
日本で「コーギー」と呼ばれているのはほとんどがペンブローク種で、カーディガン種の知名度が低いために混同しがちです。
しかし、コーギーには2種類いると覚えておくと、自分好みの子を見つける時やしつける時などに役立つでしょう。